日吉内科 内科認定医・呼吸器科専門医として、地域の皆さんの「かかりつけ医」を目指します。
トップページ
診療案内
施設案内
睡眠時無呼吸症候群
初診の方
診療医紹介
交通案内
よくある質問
ブログ

 
TOP >

睡眠時無呼吸症候群

病気について
睡眠時無呼吸症候群
[ はじめに ]
睡眠中に無呼吸(10秒以上の呼吸停止)を繰り返し(30回以上)起こす病気を睡眠時無呼吸症候群といいます。

[ こんな症状はありませんか? ]
睡眠中に呼吸がとまる
● 大きないびきをかく
● 夜中によく目が覚める
● 日中に強い眠気がある
● 起床時にぐっすり眠れた感じがしない
● 仕事の能率が落ちている(集中力の低下)
● 夜間に何回もトイレに行く
● ED(インポテンツ)
*中には自覚症状がほとんどない方もいます


[睡眠時無呼吸症候群(=Sleep Apnea Syndrome)とは?]
2月26日に「ひかり126号」を運転中の33才の運転士が居眠り運転をし、岡山駅で新幹線が緊急停止しました。のちの報告で、この運転士は睡眠時無呼吸症候群だったことがわかり一躍この病名が全国区になりました。

● 無呼吸の定義:10秒以上呼吸が停止すること
低呼吸の定義:10秒以上換気が50%以下に低下すること
無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index:AHI):睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の回数

● 症状:いびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気、熟眠感がない、起床時の頭痛
*注意 : 近年の報告で中等症から重症のSASでも日中の眠気などの自覚症状に乏しい場合があることが分かっています。自覚症状がないからといって、この病気は否定出来ません。

● 合併症:高血圧、高脂血症、虚血性心疾患、脳梗塞など

● 病態:元々の骨格から喉の奥(咽頭部)が狭い、もしくは肥満などで咽頭が肉厚になり結果的に喉が狭くなっている状態の方がいらっしゃいます。普段(=起床時)は、特に異常を自覚しませんが眠ると症状が出易くなります。睡眠により筋肉が弛緩すると、舌根(舌の付け根)の筋肉もゆるみ、のど奥に垂れ下がり、咽頭が狭くなります(⇒狭いところを呼吸で空気が出入りするといびきとなります)。ひどければ完全に舌の付け根が喉を塞いでしまうこともあります(⇒完全に塞がると無呼吸になる)。

[睡眠中に無呼吸が起こると何がよくないか?]
1. 眠りが浅く、睡眠不足になる事による症状
息が止まるたびに、脳は呼吸を再開する命令を下そうとします。本人は眠っているつもりでも、脳が目覚めているため、眠りが浅く日中に眠くなってしまいます。また、日中も睡眠不足のため居眠りし易い状態です(集中力不足や仕事の能率低下、さらには交通事故までつながる事もあります)。

2. 無呼吸で血液中の酸素が不足する事による症状
無呼吸に伴い血液酸素飽和度が低下します。酸素不足を一晩中何度も繰り返し、それが365日毎日続きます。そのため、血管がいたみ動脈硬化を起こしやすくなります。その結果、心筋梗塞(=心臓を栄養する血管の動脈硬化)や脳梗塞(脳を栄養する血管の動脈硬化)を引き起こしやすくなります。
⇒⇒それだけではなく、SASは寿命をも短くすることが知られています。

[診断方法]
1. 簡易検査(入院せずに自宅で実施可能です)
・ 酸素飽和度のみ測定/当院で可能
・ 酸素飽和度・呼吸の流れ・胸郭の動きの有無を判定/当院で可能
→痛みなどはありません。
→検査機器を自宅へ持ち帰り測定いただきます。

2. 確定診断検査(PSG)/1泊2日の入院検査(紹介)

[治療]
●生活習慣の改善
・肥満の解消
・飲酒の制限

●内科的治療(CPAP治療)/当院で実施可能
・睡眠中に装着する鼻マスクで、気道に圧をかけて空気の通り道がふさがらないようにする治療法です。この機器を装着するといびきや無呼吸が減少し、使用した翌朝からその効果を実感できます。

●歯科装具装着(歯科医院へ作成依頼します)
・下顎を前に突き出す状態で固定できるマウスピース

●耳鼻科的手術(扁桃腺肥大などが原因の場合に耳鼻科医へ紹介いたします)

睡眠時無呼吸症候群の治療/日吉内科
[ 運送運搬関係事業主の方へ ]
SAS放置は運送運搬関係事業に大きなリスクを生じます。
当院では、事業所向けにSAS検査を行なっておりますので、ご相談下さい。

● 高速での多重死亡事故の裁判にて
高速道で8人を死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われた元トラック運転手の控訴審判決で、高裁は禁固3年とした一審判決を破棄し、禁固2年6月を言い渡した。被告側は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)で、睡眠状態に陥ることは予見できなかった」と主張していたが、判決で裁判長は「疲労が蓄積し、眠気を感じながら運転を続けて事故に至ったと考えるのが自然だ」と指摘。一審同様、運転を中止する義務に違反した過失を認めた。